相合傘

 今日の部活は早く終わった。
 本当は嬉しいはずなんだけど、外は雨。じとじとして気持ち悪い。

 「あ〜、もう最悪・・・」

 これじゃシュタインの散歩にも行けない。怒るだろうな、あいつ。

 雨って、気分も滅入るから好きじゃない。たかが天気と言われればそれまでだけど、やっぱり晴れの方が嬉しい。
 外に出てサッカーも出来るし、出かける気にもなるし、シュタインも散歩にも行けるし・・・。

 更についてないことに傘を持ってきていない。天気予報じゃ晴れだって言ってたのに・・・そんなものあまり信じてないけどね。

 どうせ人間の予測するものなのだから、裏切られたからって怒ってるとキリがない。

 信じられるのはシュタインだけだって、そう思った。


 そう思ってたんだ。




 でも・・・・・・。




















 「雅紀くん?」

 最近信じられる奴が増えたんだ。馬鹿みたいにお人好しで、おせっかいで・・・俺の愛しい彼女。

 「部活終わったの?」
 「そう。ヒトミも?」
 「うん。雨、ひどくなりそうだからって・・・華原くん、傘は?」
 「忘れたんだよ。天気予報じゃそんなこと言ってなかったし・・・」

 一緒にいると楽しくて、安心する。だってこいつは俺を裏切らないって分かってるから。

 「じゃあ一緒の傘に入ろう?私、いつも折りたたみ傘持ってるんだ」
 「でも、狭いだろ?濡れて帰ったら、鷹士さん、心配するんじゃない?」
 「大丈夫だよ。それに・・・」

 相合傘したいから・・・なんて頬を赤らめて言うのは、ある意味反則だと思う。
 そんなに可愛いと我慢出来なくなるだろう?

 「どうにか詰めたら入りそうだね」

 そう言ってはいるけど、お前さ、半分出てるんだけど・・・。変なとこ照れ屋だよな、ほんと。

 「もっと詰めた方がいいんじゃない。濡れるだろう?」

 肩を抱き寄せるとすごくいい香りがする。
 恥ずかしそうにしているのを見るとつい意地悪したくなる。

 「ヒトミ・・・」

 耳元で甘い声で囁く。

 「今日はせっかく早く帰れるんだからさ、俺の部屋に来ない・・・?」

 それはもうゆでだこと例えられるほど真っ赤になって、でも真っ直ぐとこちらを向いてくる。
 この真っ直ぐな瞳が好きだと思う。屈託がなくて、綺麗な瞳・・・。

 「・・・でどうするの?」
 「・・・行く!!」

 とても嬉しそうに笑う顔も愛しくて・・・。










 こんな間近でヒトミを見れるなら、雨の日だって悪くない。
















あとがき
マッキ−偽者!!マッキ−むずい!!やっぱり私はアホな感じの方が全然動かしやすいです(下手・上手はともかく)
念の為、言っておきます、ヒトミとか瞳とか出てきてますが、決してギャグではありません!!かけてるとかそんな風に思ってくれてるなら幸いですが、決してまるマのコンラッドさんのようなギャグではありません!!
マッキ−って雨とか嫌いそうですよね(勝手な偏見)
でもヒトミちゃんといられるなら何だって良さそうでもある・・・(どっち?)
ここまで読んでいただきありがとうございます!!日々精進していきたいと思ってます(あまり反映されてる感はありませんが)














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