たまには・・・
暑いなぁ・・・と思いながらもダイエットのため毎日走っていたヒトミ。いつもは朝のうちに走るのだが、寝坊したため昼間走っているのだ。一番暑い時間帯は避けて、4時頃から走っている。水分はマメに取っているつもりだったが。
「暑い・・・もう水ないよ・・・一旦マンションに戻ろうかな・・・」
ふらふらとしながらも戻るヒトミ。もうクタクタで真っ直ぐに歩けない。暑いといつもより体力を消耗する。
マンションの前に来た時、綾人に出会った。
「あれ・・・ヒトミちゃん、どうしたの?ふらふらしてるけど」
「ちょっと走ってて・・・」
「この暑い中?大丈夫?」
「は、はい・・・」
と言いつつ、視界はぐらぐらしていて・・・とうとう倒れてしまった。
「ヒトミちゃん?!」
「もう・・・駄目・・・」
ヒトミの視界はそれでフェードアウトした。
「あれ?」
目を覚ますと、そこは家の天井ではなく、見知った家の天井。どこだっけ・・・と頭の中で巡らしてみるが、正常に機能していないため、なかなか思い出せない。う〜ん、と唸っていると綾人の声が聞こえた。
「ヒトミちゃん?もう起きて大丈夫?」
「綾人さん!」
「まだきついんじゃない?顔が赤いよ」
「いや、多分違います!」
いきなり綾人が現れたせいで赤いのだ。自分は綾人のベッドで寝ていたという事実がヒトミをさらにパニックにさせた。
「一応スポーツドリンクを買ってきたんだけど、他にどうしたらいいか分からなかったからアイスも買ってきたんだ」
「あ、ありがとうございます・・・」
ヒトミは渡されたスポーツドリンクを飲んだ。生き返るとはまさにこのことだ。すぅっと楽になった。
「アイスはどれがいい?」
「えっと・・・じゃあバニラで」
「はい。どうぞ」
バニラアイスを食べながら、ベッドの中にいる自分とそれを看病している綾人という図が不思議でならなかった。いつもなら逆だというのに。
「ごちそうさまでした。美味しかったですっ」
「ふふ・・・それは良かった。鷹士さんには連絡しておいたから、すぐに迎えにきてくれると思うよ」
「あ・・・お兄ちゃん、今日実家の方に行ってたんだった・・・」
帰りたいか帰りたくないかと言われると帰りたくないのだが、帰らなければあの妹馬鹿の兄が何を仕出かすか分からないので仕方ない。この不思議な雰囲気をもっと感じていたいような・・・。
「不思議だね・・・いつもなら僕がベッドにいて君が看病してるのに」
「す、すみません・・・ベッド占領しちゃって・・・」
「ううん。でもあまり心配させないでね。君が倒れた時、本当にびっくりしたんだから」
「はい・・・」
「じゃあ、今日は僕が看病してあげるから、大人しくしておくんだよ」
綾人もヒトミと同じことを考えていたのだ。それが何だか嬉しくて、面白くて・・・笑みが零れる。綾人も同じように笑ってくれる。
幸せだと思う。
こんな風に過ごせる時間が。
鷹士が迎えに来たのはすっかり日が沈んだ頃だった。
〜後日談〜
「先生」
「よお、すっかり治ったみたいだな、熱中症」
「はい。先生が診てくれたんですよね?」
「ああ。神城が血相変えて来るもんだからびっくりしたぜ」
「そ、そうですか・・・」
「こんな暑い中走るもんじゃねえぞ。今後は十分気をつけるんだな」
「はい」
「しかし、お前良かったなぁ、ダイエットの成功して。あの体型のお前だったら、神城には運べないもんなぁ」
「・・・・・・」
「あと俺サマに本当に感謝してくれよ。鷹士の足止めすんの、結構大変だったんだからな」
「あ、やっぱり足止めしてたんですか。どおりでいつもより迎えが遅いなぁと・・・」
「少しでも二人っきりでいたいだろうと思ってな。いい先生を持って良かったなあ、お前」
「・・・・・・」
あとがき
何だ、これって感じですね。ただ夏ネタでこんなの浮かんだだけですよ。神城先輩が看病するなんて、誰でも思い浮かびそうなネタをあえてやってみる。しかし私はこのネタを見たことがないので、良しとします。これは私のオリジナルです。言い張ります。いや言い切れます。
先生がいいキャラしてるなぁ、と思いました。先生は恋愛の助っ人にもなってくれるから本当に助かります。若ヒトも嫌いじゃないですし。先生はちょっとしたスパイスの役割をしてくれてる気がします。ラブレボで。先生だけ何かが違いましたからね。なんか異様に○○。○○はプレイ済みの人は分かりますよね?(笑)
これの一ノ瀬さんと神城先輩もなんか出来そうなのでやってみます。私は蓮綾より綾蓮が好きなので、そんな感じで。ってあれ?ここってNLサイトではありませんでしたっけ?いいんです。神城先輩と華原君を愛してるサイトなんです。彼らを愛でるサイトなのでいいんです。(自己完結)
ここまで読んで下さった方に感謝です。
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