続く足跡
「うわぁ・・・綾人さん!雪が積ってますよ!!」
「くすくす・・・そうだね」
嬉しそうに駆けていくヒトミと、それを穏やかな視線で眺めながら、のんびりとついていく綾人。
まだ誰も踏み入れていない新雪に足跡が続く。
「あ、すみません。はしゃいじゃって・・・」
「いいんだよ。それに今ならこうやって・・・」
ヒトミのもとまで駆けていき、綾人はヒトミを抱き締めた。
「走って、君に追いつくことも出来るから」
満面の笑みを浮かべる綾人に、ヒトミの顔は赤くなるばかりだった。
「あ、綾人さん・・・恥ずかしい・・・」
「僕は君の顔が近くで見れるから、離れたくないな」
「で、でも・・・ここ、外ですし・・・これじゃ歩けませんよ」
「そうだね・・・」
ヒトミから離れる綾人。しかし、手をしっかりと握っている。
「これぐらいなら、しても構わないよね?」
「はい、私も手を繋ぎたいなって思ってました」
二人で歩く道。続いていく足跡。
それは決して初めてのことではないけれど、これは特別なもの。
「綾人さん・・・寒くありませんか?」
「そんなに気にしなくても平気だよ。もう病気は治ったんだから」
「そうですけど」
「それより僕は君が風邪をひかないかが心配だよ」
「大丈夫ですよ!鍛えてるんですから!」
病気が治って、初めて迎える冬。
何度も雪に足跡を付けながら歩いたけれど、その頃には拭いきれない影が確かにあった。
この足跡はどこまで続いていくのだろうか。
ずっと続いていくのだろうか。
不安で仕方なかった。
いつ途切れてしまうのだろうかと、そんな想いばかりが綾人の脳裏を過ぎった。
でも、今は違う。
二人には未来がある。
二人が望むなら、この足跡はいつまでも続いていく。
どこまでも、どこまでも二人で一緒に行ける。
それがとても嬉しくて。
嬉しくて・・・。
足取りは自然と軽くなった。
「久しぶりに雪で遊んでみるのもいいかもしれないね」
「いいですね。雪合戦とかですか?」
「それもいいけど・・・ヒトミちゃんに本気で雪をぶつけるなんて、出来ないなぁ」
「た、確かに・・・」
「じゃあ、一緒に雪だるまでも作ろうか。マンションに住んでる皆をびっくりさせられるくらい」
「それ、いいですね!そうしましょう!!」
二人の足跡はどこまでも続く。
それは時々寄り道もするだろうし、立ち止まったりもするだろうけど、もう決して途切れることはない。
それは幸せの証・・・。
あとがき
結構、思った通りに書けた方ではないかな、と思います。
治った後の二人は些細なことでも嬉しいんだろうな、と思って出来たものです。
相変わらず、神城先輩の台詞だけは、どんなに甘くてもポンポン出てくる尚輝です。神城先輩は私の動かしやすいキャラNo.1かもしれません(笑)
愛ゆえか?愛ゆえなのか?ヒノエの台詞だったら、こんなにポンポン出てきませんよ。いや、ヒノエも好きですけどね。彼も尊敬してますよ。
私の住んでる所では、滅多に雪が積りませんゆえ、新雪に足をつっこんで、足跡つけるなんてなかなか出来ませんが、ワクワクするものだと思います。
雪降ると何だか嬉しいです。交通機関は簡単にストップしてしまいますので、困りますが(汗)
ここまで読んで下さってありがとうございます。
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